これから小売業が見るべき10の指標!?

『これからの小売業が見るべき、10のKPI(重要な成果を測る指標)』というレポートが、Kurt Salmonというコンサルティング会社から発表されています。

10 KPIs, Kurt Salmon社

KSA10KPIs

今までの小売業の経営指標といえば、渥美先生の
『流通業のための数字に強くなる本』
が解りやすく、網羅的に纏まっています。

当然ながらこの本の前提は、書かれた時代に合わせて、リアル店舗が主体&情報技術が今のように進んでいない状況です。この時代の小売業の立ち位置は、『消費者のニーズにどう応えるか?』という受け身的な立ち位置です。

しかし今は、ネット販売チャネル、会員カードデータ分析や様々なIoTの活用などが当たり前の時代。
小売業の立ち位置も、『ニーズをどう創り出すか?』という、メーカー的なポジションに変わりつつあります。

そこで、この新しい10のKPIが追加で必要、という訳です。

私はこのレポートで賛成するところは; 

  •  もっとマーケティング的な考え方を取り入れるべき
  •  費用対効果にもっとシビアになるべき
  •  ネットを含む、複数の販売チャネルがあることを前提に考えること
これを基に更に考えてみたいことは;

  • このような新しい観点と今までの観点を合わせて、小売業の経営者はどの指標を見れば良いのか?

です。

ではKurt Salmon社の10の新しいKPIを見てみましょう。 
※それぞれの指標の説明書きは、私の解釈です。 

  1.  マーケティング支出の投資対効果
    従来型(チラシや価格プロモーション等)+SNS/ネットを活用したプロモーションに費やしたお金とその効果の比較。
  2. カスタマージャーニーの洞察
    今の小売業、消費財メーカー並みに、カスタマージャーニーの出発点である、消費者の「欲求」を生み出すところから関与することが可能です。従って自社が、消費者のカスタマージャーニーのどこからどこまで関与しているのか、どのように関与しているのかを測定すべきである。
  3. ブランド認知
    小売業が持つ様々なブランドは、「開発したPB商品」>「小売業の業態」>「小売業グループ全体」といった階層構造になっています。それぞれのブランドが、どの程度、どのように消費者に認知されているか。ブランド間の整合性は取れているかを把握する事が必要です。
  4. 商品の入手可能性
    消費者は欲しいと思ったときに、欲しいと思った場所で、欲しいと思ったリードタイムで、欲しいと思った商品が入手できるか?
  5. 顧客別収益性
    顧客、または顧客グループ別の利益額の把握
  6. 販売チャネル別収益性
    リアルとネット両方を含む販売チャネルごとの利益額の把握
  7. チャネル横断的な店舗の生産性
    リアルとネット両方を営む小売業では、ネットでの活動がリアル店舗の販売に貢献する/リアル店舗がネット販売に貢献する、といった具合にリアルとネットの活動と効果が交差します。その理解の上で店舗の生産性を測るべきです。
  8. イノベーションのスピード
    小売業の活動全般に渡り、イノベーションをどのくらい早く行っているか。
  9. 組織内部での協働
    特にネットとリアルを担当する組織間でのどの程度協働しているか。
  10. サプライヤーとの協働
    サプライヤーに無理難題を押し付けるのではなく、どの程度協働しながら事業を営んでいるのか。
それぞれ観点としては大切なものだと思います。しかし後半の指標は、どうやって計測するのか悩むものもあります。スコアーカード的な採点をすることも想定しているのでしょう。 
自分であれば10個全ては導入しませんが、1,5,6は定期的に、2,3は1回/年、4,7,8,9,10は一度は測定してみたいです。 
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