M&S会長、従来型ロイヤルティ施策を批判「多くのロイヤルティカードは実質的な“非”ロイヤルティ」

Marks & Spencer(M&S)会長のArchie Norman氏は、2025年のRetail Technology Showにて、多くのロイヤルティカードについて「偽のプロモーションに使われる不誠実なカードだ」と批判し、従来の差別的価格戦略(differential pricing)に否定的な見解を示した。

「私はカード懐疑派だ。M&Sではカードがあってもなくても同じ価格で、信頼あるバリュー(trusted value)を提供している」と述べ、TescoのClubcardやSainsbury’sのNectarのようなロイヤルティ会員向け割引とは一線を画す姿勢を強調した。

その代わりにM&Sは、会員プログラム「Sparks」を通じたパーソナライズ重視の戦略を推進中である。Norman氏は「Sparksは個別の購買傾向を理解し、顧客が“より良く買える”よう支援するための手段」と語り、全体向け割引よりもデータを活用した個別対応を重視しているとした。

この方針のもと、M&Sは2億ポンド超を投資し、Sparksの大規模なテクノロジー刷新を進めており、「これを中核的な仕組みに育てたい」と意欲を見せた。

具体例としては、Sparks会員限定の「The Parent Hood(ザ・ペアレント・フッド)」という育児支援クラブが挙げられる。ベビー服や食品、店内カフェでの特典を通じて、ライフステージに応じた価値提供を行っている。

一方で、ロイヤルティプログラムを巡っては、英国競争・市場庁(CMA)が2024年11月に調査を行い、スーパー各社の会員価格は「実際に92%が通常価格よりも割安で、実質的な値引きである」と結論付けている。

このように制度の効果に対する見解が分かれる中、M&Sは「価格の透明性と個人最適化」の両立により、他社との差別化を図ろうとしている。

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