人件費上昇と税制変更で、英小売業のパート雇用に打撃

British Retail Consortium(BRC)によると、英国の小売業界では、エントリーレベルの人件費が10%以上上昇し、特にパートタイム従業員に関しては13%の増加となった。

これは、全国生活賃金(National Living Wage)の引き上げに加え、4月1日から施行された国民保険料(NIC)の新制度の影響である。

特にNICの課税対象となる所得下限が9,100ポンドから5,000ポンドに引き下げられたことで、15時間労働などのパート職も新たに課税対象となり、コスト増加に拍車をかけている。

BRCは、これらの制度変更により、小売業界全体で年間50億ポンドの追加コストが発生し、さらに10月に導入予定の包装税と拡張生産者責任制度(EPR)により、年間負担額は70億ポンドに達すると試算している。

パート職は昨年150万件あったが、これは記録上最低水準であり、今後3年間で16万件のパート雇用が失われる可能性があると警鐘を鳴らしている。

BRCのCEOであるHelen Dickinson氏は、「政府は福祉改革によって就業者数を増やそうとしているが、今回のコスト増は、初めて職に就こうとする人々にとっての“はしご”を外してしまうようなものだ」と指摘。

また、「小売業は過去5か月間、新制度の影響に備えてきた。政府は今後の政策において、雇用を促進しやすくするような措置を講じるべきである」と述べ、雇用権法の改正が雇用創出の妨げとならないよう求めている。

なお、英国家統計局(ONS)は、過去5年間で英国の小売業から24万人の雇用が失われたと3月に報告しており、BRCも2月時点で「今後3年でパート職の1割が失われる」と警告していた。

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