配達の選択肢不足で英小売業者は年間3.8兆円超の損失、バスケット放棄が深刻化

Retail EconomicsとGFSの最新レポートによると、2024年に英国の小売業者は**オンラインバスケット放棄により380億ポンド(約7.3兆円)**の潜在売上を失った。これは前年比11%増で、全オンライン取引の24%が購入完了前に放棄されているという。

最大の要因は配送オプションの不満であり、頻繁にECを利用する消費者の66%が「少なくとも月1回は、配達条件の悪さを理由に購入を取りやめた」と回答。Gen Zでは65%が配送選択肢の悪さを放棄理由に挙げている。

一方、**複数の配送業者との連携を自信を持って管理できている小売業者は全体の24%**にとどまり、中小企業では18%まで低下している。配送料の高さ、配達の遅さ、追跡機能の欠如などが大きな課題である。

Retail EconomicsのCEO Richard Lim氏は、「消費者は今や柔軟でコスト効率に優れた配送を当然と考えており、それを提供できない企業は数十億ポンド規模の売上機会を逃す」と警鐘を鳴らした。また、「マルチキャリア戦略や配送イノベーションに投資する企業が競争優位を得る」とも述べた。

同報告書では、小売業者に対し、キャリアネットワークの拡充と多様化、AIや予測ロジスティクスの活用、顧客体験の向上、マルチキャリアプロバイダーの導入など、配送面への迅速な投資を呼びかけている。

なお、2025年1月のオンライン支出は84億ポンドで、前年同月比2.9%増となっており、「後払い(BNPL)」の普及も一因とされている。今後、購入完了率を高めるためにも、配送体験の改善は急務となっている。

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