米国農務長官Brooke Rollinsは、鳥インフルエンザの蔓延を抑制し、家禽産業を保護し、卵価を下げるための10億ドル規模の対策を発表した。
この戦略には、バイオセキュリティ対策に5億ドル、影響を受けた農家への財政支援に4億ドル、ワクチン研究に1億ドルを割り当てるほか、規制の緩和や一時的な輸入措置の検討が含まれる。
この発表は、農務省が2025年の卵価格が40%以上上昇すると予測したことを受けたものである。鳥インフルエンザ(HPAI)は過去3年間、食品業界に深刻な影響を与え、卵の供給不足と価格高騰を引き起こしてきた。
農務省の5つの主要対策は以下の通りである。
- 家禽生産者向けのバイオセキュリティ対策の強化
- 農家への支援策の拡充
- 卵・鶏肉産業の規制緩和による価格引き下げとイノベーション促進
- 卵用鶏向けの新ワクチンや治療法の研究開発
- 一時的な輸入増加・輸出削減の検討
バイオセキュリティ対策として、野生鳥類からの感染防止のため「Wildlife Biosecurity Assessments」を全国で拡大し、非感染農場でも監査を実施する。さらに、20人の疫学専門家を動員し、感染リスクの低減策を提供する。農務省は、リスクが最も高いバイオセキュリティ上の問題の改善費用の最大75%を負担し、5億ドルの投資を行う予定である。
また、農家向け支援策として、家禽の再導入率を高める新たなプログラムを検討し、4億ドルの援助を提供する。しかし、その詳細は明らかにされていない。
米国食品医薬品局(FDA)と連携し、商業市場における卵供給の拡大策を検討するほか、家庭で採取された卵の規制緩和にも取り組むとしているが、具体策は未発表である。
農務省は科学者や農家と協力し、鳥インフルエンザ発生時の家禽大量処分を抑える戦略を開発し、消費者や議会へ卵価格の地域差の問題を啓発する方針である。また、新世代のワクチンや治療法を研究し、感染地域周辺の監視強化を進める。これに関しては、米国保健福祉省と協力し、公衆衛生と感染症対策のバランスを考慮する。
さらに、米国は卵不足対策として、一時的な輸入増と輸出削減の可能性を検討している。これはカナダ・メキシコとの関税猶予期間が終了するタイミングでの発表となった。
しかし、この計画には、トランプ政権時の政府人員削減で鳥インフルエンザ対策部門の4分の1が解雇された問題への対応策が示されていない。Politicoによると、農務省は解雇された職員を復職させるのに苦戦しているという。
